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ハンドヘルドPCとは?
作成日 99/01/03
更新日 99/07/03
1999年1月現在の情報を元にしています。
ハンドヘルドPC
その名の通り、片手でつかんで持ち運びできるサイズの携帯端末です。普通のノートパソコンのように、ふたを開けば、小さいながらも、キーボードと液晶ディスプレイがついていて、立派にパソコンの体裁を整えています。ノートパソコンのようにふたを開閉するタイプの筐体のことをクラムシェルと言い、このタイプの携帯端末は、ほかにもヒューレット・パッカード社の200LXやNTTのポケットボードのようなものもありますが、特に、OSとしてWindowsCEを搭載しているマシンのことを、ハンドヘルドPC(略称H/PC)と言います。
99年7月現在、ハンドヘルドPCの最新バージョンは、3.0です。ハンドヘルドPCの3.0は、正式には「Microsoft(R) Windows(R) CE Handheld PC Professional Edition version 3.0」と言い、H/PC Proと略されたりします。
マウスはありませんが、ディスプレイがタッチスクリーンになっていて、ZAURUSのように、スタイラスというペンで画面をつついて使います。ディスプレイはカラーとモノクロがあり、現在の主流はカラー機です。カラーのほうが綺麗なのは言うまでもないことですが、反面、バッテリの持ちが短くなります。また、ディスプレイ部分がかなり分厚くなってしまいます。
WindowsCEというOSを搭載
先に述べたように、Windows95のサブセット(機能縮小版)である WindowsCEというOSが搭載されています。WindowsCEは、ハードディスクにインストールするWindows9xやMacOSなど、一般的なパソコンOSと違って、ROMに書きこまれています。そのため、物理的にROMが壊れない限り、OSが壊れてしまうということがありません。
CEは Windows9xとあまり変わらないGUIを採用しているので、Windowsと同じような感じで使っていけます。
99年7月現在、WindowsCEの最新バージョンは、2.11です。あれ? と思った方。よく見ていますね。その通り。ハンドヘルドPCのバージョンと食い違っています。僕の書き間違いではありません。本当に食い違っているのです。バージョンの問題はややこしいので、後でもう一度触れます。
起動が早い
ハンドヘルドPCには、ハードディスクがありません。ハードディスクは、記憶媒体の中では衝撃に弱く、壊れやすい方なので、ハードディスクを必要としないWindowsCEは、常時携帯するモバイルマシンに向いています。
じゃあ、データはどこに記憶させているのかというと、メモリ(RAM)に記憶させています。RAMは、揮発性で、電源が切れると記憶が失われてしまうため、ハンドヘルドPCを使わない間も絶えず電気を供給されています。データを守るため、メインの電池のほかに、1円玉大のリチウムボタン電池をバックアップ電池として採用しています。メイン電池とバックアップ電池の両方が同時になくならない限り、データは消去されない、というわけです。
このように、常時電気を供給し続けているため、WindowsCE端末に「終了」という概念はありません。「サスペンド」しているだけです。だから、スイッチを入れると、以前の状態からすぐに使うことができますし、好きなときに電源を落とすことができます。将来はいざ知らず、現在のWindowsでは、どれだけ高速なCPUを積んでいても、こうはいきません。
アプリケーション
アプリケーションは、ワードとエクセルのサブセットがプリインストールされ、それぞれポケットワードとポケットエクセルと呼ばれています。CE2.0になって、パワーポイントのサブセットもつきました(閲覧機能だけですが)。さらに、H/PC Proになって、アクセスのサブセットもつきました。ほかに、メーラー、アドレス帳、タスク管理、カレンダーがポケットアウトルックとして統合されています。マイクロソフトは、これらを合わせて、Officeコンパニオンと呼んでいます。
ほかに、シェルとしてエクスプローラが、ブラウザはインターネットエクスプローラのサブセットであるポケットインターネットエクスプローラがプリインストールされています。PCのIE4.01同様、CEエクスプローラとポケットIEは統合されています。これら、基本的なアプリケーションは、ROMに書きこまれています。
Windows9xパソコンのデータと、WindowsCEのデータには、基本的に互換性がありません。WindowsCEのポケットエクセルで作成したファイルをWindows9xPCで使おうと思えば、コンバート(変換)する必要があります。
母艦となるパソコンが必要
ハンドヘルドPCは、それ単体で使うように設計されていません。Windowsパソコンを親機にし、CE機を子機にして、データ連携を行う親子使用が前提です。親機となるWindowsパソコンのことを、母艦と呼びます。ほとんどの場合、ソフトのインストールには、母艦であるWindowsパソコンが必要です。マッキントッシュも母艦になり得ますが、設定が面倒なようです。
ハンドヘルドPC単体でも十分、使えますが、機能をフルに使おうとすると、どうしても母艦が必要になります。
パソコンとの連携
パソコンとは、基本的にシリアルケーブルで接続します。ソフト的には、WindowsCEサービスというソフトを母艦にインストールすることで、WindowsパソコンとハンドヘルドPCでパートナー関係が結べます。
PCと接続すると、Windowsエクスプローラからは「モバイルデバイス」として認識され、Windows内の1フォルダ扱いとなります。Windowsパソコン-ハンドヘルドPC間のデータのやり取りは、ドラッグ&ドロップで簡単にできます。先に触れたデータのコンバートは、WindowsCEサービスを使うことで可能です。
特定のフォルダ同士、アウトルックとポケットアウトルックのデータは、ActiveSyncという機能で簡単に同期を取ることができます。ただ、IE4の付録のOutolook Expressとの間でメールの同期を取ることはできません。
赤外線ポートがあり、赤外線通信にも対応しています。赤外線通信は、一度やるとハマります。また、CE2.0から、LANに対応しているので、NE2000互換のLANカードを使えば、LAN経由で母艦に接続することができます。
拡張性とそのほかの機能
ほとんどの機種に録音機能があり、簡単なボイスメモを取ることができます。TypeVのPCカードスロットがあり、モデムカードや、メモリカードが使えます。コンパクトフラッシュのスロットも用意されています。
WindowsCEは ROMに焼き付けられているOSなので、理論上、ROMを交換すれば、OSのバージョンアップはできます。カシオペアA-51などは、ROM交換でバージョンアップできました(私はA-60を買ったので見送りました)。今後のOSアップグレードの際にも、ぜひ対応していただきたいものです。
WindowsCEの種類
WindowsCEはWindows95のサブセット、と言いましたが、これは、正確な表現ではありません。というのも、WindowsCEが睨んでいる市場には、カーナビ(車載用のAuto PC;略称 A/PC)やWebTV、ゲーム機など、パソコン以外の家電製品も入っており、けっして、ハンドヘルドPCだけではないからです。
家電に組み込まれたOSの顔は、一般ピープルにはなかなかわかりません(誰が、自分ちの炊飯器のOSの名前を知っているのか? そもそも、OSが組み込まれていることすら、意識していないはずです)。CEは、有名どころでは、SEGAの DreamCast のOSになっています。
また、3Com社のPalmシリーズに似た外見の、パームPC(Palm PC;略称 P/PC)というラインナップもあり、こちらは、掌サイズで、キーボードのない、縦長ディスプレイが特徴です。
WindowsCEは、高いマシンスペックを必要としない、軽いOSです。組み込む機器や用途によって、機能やシェルを追加することで、H/PCやP/PC、A/PC、ゲーム機というように、まったく異なる表情を見せてくれます。
ハンドヘルドPCのバージョン
ハンドヘルドPCが発表されたのは、96年9月のことです。日本語版の製品が発売されたのは、97年7月10日、カシオのカシオペアA-50とA-51が最初になります。このときのハンドヘルドPCのバージョンはH/PC 1.0、WindowsCE 1.01でした(日本語版は、英語版のCE 1.0よりマイナーバージョンアップされていた)。その後、カラーに対応したCE2.0が発表され、日本でも98年3月にNECのモバイルギアU等のマシンが発売されました。
さらに99年2月には、H/PC Proと呼ばれる第3世代のハンドヘルドPCが日本でも発売されます。Proは、USBやPS/2ポートがサポートされ、画面も、SVGAに対応しました。SVGA対応の結果として、ノートPC並みの大画面を持ったCEマシンが登場し、ハンドヘルドPCの大型化に拍車がかかります。
CE2.0と比べて、かなりのバージョンアップが図られたかに見えたH/PC Proですが、実は、OSとしてのWindowsCEは2.0から2.11と、マイナーバージョンアップが図られただけでした。カーネルは前世代のままだけど(WindowsCE 2.11)、H/PCのシェルは拡張されています(WindowsCE, Handheld PC Edition Version 3.01)。そんなわけで、コンセプトとしてのH/PCと、OSとしてのWindowsCEにバージョンの食い違いが出てしまいました。マイクロソフト自体、ややこしいので、CEのバージョンはちゃんと整理すると言っています。PocketCafeでは、CE1.0、CE2.0、H/PC Pro(あるいはH/PC Pro 3.0)と表記し、CE3.0とは表記しません。